最初の質問

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母が持ってきた絵本。『最初の質問』という題に惹かれて読んでみた。

20年以上を過ごした大阪から故郷に戻ってきてまもなく半年が過ぎようとしている。

初心。そんなものはあっという間に潰された。空を見る余裕もない毎日。

なぜ? こんなに空が広い町なのに、大阪より空が遠い。

空を忘れたおとな。そんな自分になるのが嫌で、必死で仕事帰りのギリギリの夕空を眺め、写真に撮る。

木に触れたり、話しかけたり。そんな生活を夢想して戻ってきたはず。それができないのはなぜなのか。だれかのせいか。自分のせいか。

おそらくはだれのせいでもない。だれもが一生懸命、自分のために、誰かのために、毎日を生きている。

だれかのせいにするのではない。自分を惨めに思う必要もない。

家族を守る。いとしい存在から力をもらう。そんな暮らしがあたりまえにゆるされる町。こどもたちの故郷はそんな町であってほしい。

僕にとっての最初の質問への答えは、それだ。

この絵本の中にはいろいろな質問が入っている。

あなたにとっての最初の質問は、どれですか。