話すのが得意な人とそうでない人がいる。僕はどちらかといえば後者であるが、僕よりさらに話すのが苦手な人もたくさんいる。
誰しも内なる言葉をもっている。おしゃべりな人は、そうでない人がおずおずと発しかけた言葉を知らず知らずさえぎっている。それに気づける人もいれば、気づけない人もいる。両者のちがいは聴くことができるかどうかだ。耳で聴くだけではなく、声なき言葉を聴くことができるかどうかだ。
ウッテン先生は言っていた。音楽は言葉であると。だから"Listening"、聴くことがあらゆる要素の中でもっとも大切であると。
それは単に発せられた音を聴くというだけではなく、ためらいの音、音にならない音、そういったすべての発せられなかった音を含めて聴くということなのだろう。
「僕たちベーシストはいつもタイム感の悪いドラマーの悪口を言っているが、僕はタイム感の悪いドラマーと一緒にやるとわくわくするんだ。彼の内なるパルスを読むのが楽しいからね」
こんなこと言ってなかったような気もするが、僕の中ではそういう解釈になっています。ウッテン先生、僕は昨日とても反省しました。