レッスンの中でひときわ目、ではなく耳を引く生徒さんがいる。
10人以上が同時に掻き鳴らすグループレッスンで、その人の音だけやけに明瞭に聴こえるのだ。
特別な楽器を使っているわけではない。むしろ音量の小さいパーラーサイズの廉価なギターだ。
ウクレレに近い音が出るのでかえって音域的に抜けてくる可能性はある。でも似たようなミニギターを使っている人は他にもいるので、それだけではない。やはり弾き方に理由があるようだ。これは才能といっていいかもしれない。
他にも、集団の中ではまったく音が聴こえないけど、傍に寄るとじつにやさしい良い音を出している人もいる。
人には持って生まれた音というのがあるのかもしれない。そんなことを思う。