daichis2011-10-28

リサイクルショップでダイナミックギターを見つけた。人のよさそうなご夫婦が言い値でよいと言うので、相場的にこんなもんだろうという値段を言うと「そんなに出すの? なんかこわい」みたいな空気に。お人よしにもほどがある。結局その半値で売ってもらった。
「にいちゃん大学生か? 男前やから将来ミュージシャンやな」。奥さん、さすがにそれはアッパーすぎるわ。
で、家に帰って調べてみた結果これは僕のほしかったダイナミックギターではないことが判明orz
ダイナミックギターとは、まだ国産のアコースティックギターがなかった時代にヤマハクラシックギターに鉄弦を張れるように改良して発売したものだ。鉄弦なのにガットギターのような音がする不思議なギターで、前々から一本ほしいと思っていたのである。
ところがこれはそのダイナミックギターのナイロン弦版というややこしいモデルだった。鉄弦が張ってあったのですっかり騙された。先祖返りともいえるが、進化の過程で別のDNAが混ざったせいで祖先のクラギとも異なる奇妙な楽器になっている。
だが思ったとおり鳴りは凄い。安物のナイロン弦でもまあ鳴るわ鳴るわ。半世紀の歳月で木が乾いているせいもあるが、もともとの材と作りが非常に良かったものだと思われる。えぞ松単板らしき表板はきれいに柾目が通っており、ナットとサドルは象牙のようだ。作りもしっかりしていて、鉄弦を張られておそらく数十年単位で放置してあったにもかかわらずネックもブリッジ周りもビクともしていない。
うーむ。
このギターをラスゲアード(もどき)で掻き鳴らすと、そばに置いてある他のアコギたちがうーむ、うーむと共鳴するのである。こんな現象、普通のギターではなかなかない。